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写真日乗2017/05/14〜團菊祭、彦三郎襲名〜 [日記]

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撮影:2017/05/14 於:東京・歌舞伎座
Leica Q Summilux 28 f1.7 ASPH.

マラソン出場1週間前だが、歌舞伎座での観劇を入れていた。今月は、「團菊祭」だが、九代目彦三郎の襲名などもあって、にぎやかな雰囲気である。ランニングのトレーニングは、早々に済ませ、昼の部を観るべく、歌舞伎座に急いだ。以下その感想を記す。

今回は、いつも押さえる2階の東側の桟敷席が取れず、同じく2階の西側の桟敷席となった。この席は、普通に座っていると花道がまったく見えないが、テーブルが上に跳ね上げられるので、何も置いていなければ、即座に跳ね上げて立ち上がり、身を乗り出して、役者の出と引っ込みを見ることができる。
最初の演目は襲名狂言で、『梶原平三誉石切』である。梶原平三は、九代目を襲名した彦三郎である。この人は、これまで立役で様々な役を勤めてきただ、主役級は初めてではないか。しかし口跡がよく、館内に響きわたる朗々とした声に感服した。1976年生まれなので、まだ40歳を過ぎたばかりだが、次代を背負う世代のなかでも、時代物などをしっかりとやれる貴重な役者であることを再認識した。今後、かなり出番の増えていくのではないか。
彦三郎の梶原の良いところは、場面ごとにきっちり演じ分ける芸だろう。吉右衛門型、芝翫型の梶原を近年見てきたが、羽左門衛型の歌舞伎らしい大きな演技は、なかなかのものである。二つ胴の試し切りも切るところは鮮やかであり、また石の手水鉢を切りところでは、源氏の再興を願い、平家を真っ二つにするという心意気を強く感じさせる。切った水鉢を飛び越えるのは、羽左衛門型だが、若い役者ならではのスピード感もあって良かった。
大場三郎は新・楽善、俣野五郎は新・亀蔵だったが、一家でまとめた『誉石切』を歌舞伎座以外の劇場でも見せてほしいと思う。因みに、松緑が胴体を切られる囚人・呑助として酒尽くしの台詞を襲名披露の台詞にして披露、場内を沸かせた。六郎太夫は初役の團蔵だったが、この人にこういう役を任せておけば芝居がしまる、その典型だったと思う。
次は、『吉野山』である。満開の桜のもとでの道行、海老蔵の忠信と菊之助の静御前という、人気役者が組んだ。実はライブでは初見、やはり艶やかな舞台だったが、なんとなくこの二人は、色気が薄い感じがする。猿之助の忠信、孝太郎の静御前で観たみたいと思った。
昼の部の最後が『魚屋宗五郎』である。これはもう菊五郎の十八番、現在、上演される生世話物のなかでも人気の演目である。私は、ライブでは菊五郎と勘九郎の宗五郎を見ていて、勘三郎のものはDVDでしか見ていないが、やはり江戸の世話物はできる人が限られおり、少なくとも菊五郎のあとにできる役者が育ってくることを強く願うものである。
しっかりした芝居ではあるが、時蔵のおはまとともに、さらさらと自然にことが進んでいく風情は、芝居であることを忘れさせるほどだ。團蔵の太兵衛、左團次の浦戸十左衛門、梅枝のおなぎと役者が揃えば、すばらしい舞台になることは間違いなのだが、問題は、菊五郎のあとを継ぐものだ。その遠い、遠い将来の候補が寺島しのぶの長男真秀だろうか。初御目見得だったが、酒屋の丁稚やくで、酒桶を届ける4分間に、そのことを感じた。


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