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コロナ渦、Bグルメの時代終焉 [グルメ]

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ホリエモンが4連休で訪れた広島・尾道で不快な思いをしたという。食べログあたりで評判の良い餃子店に入ろうとしたら、ホリエモンの連れの一人がマスクをしていなかったということで入店を拒否された。ホリエモンが、「店内で食事をするとき、どのような状態までマスクをしなければならないのか」と質したら、「マスクしないとだめ」(従業員)、「面倒くさい客は要らない」(店主)とちゃんと答えないまま怒りだし切れたという。従業員も店主もホリエモンだと分かってのことらしい。

そこで、このエピソードをもとに二つのことを書いてみたい。

一つ目は、学校教育についてである。日本では、戦後の義務教育は効率性が重視され、兎にも角にも知識を詰め込む教育に偏重していた。それは今もあまり変わっていないといえる。ゆえに、ついて行けない児童、生徒は、学習意欲を失う。その結果として、中等教育でも学力がつかないまま、もちろん高等教育を受けることはできなくなる。

そうなると、まず頭で考えいろいろ試行錯誤をして、円滑な人間関係を築きながらする仕事には就けないことになる。公務員でも企業人でもサラリーマンになれば良いといっているわけではないが、そうした世界では、知識に裏付けされた合理的な言動が多かれ少なかれ求められる。

それを体得するトレーニングの場は、残念なことに、日本の義務教育ではほとんど用意されていない。ようやく大学に入って、アクティブラーニングなどのメソッドで体験できるようになるが、そこで最も鍛えられるのが、教授や同級生の説明を理解する能力、そしてそれに対して自分の意見を説明する能力なのである。

件の餃子店に限らず、街で飲食関係の生業に就いている人たちには、そうしたトレーーニングの機会は与えられることなく齢を重ねている人が少なからず存在する。それが日本の社会の実態であり、少なくとも東大卒業のホリエモンは、そのことを理解していなかったというそしりは免れないだろう。理由を質し合理的な答を得ること自体、街の飲食店では時間の無駄であり、さっさとその場を立ち去ればよかったのである。

そこまで私が言い切るのは、コロナ以前であるが、まったく同じ経験をしていたからである。その時は、パン屋の駐車スペースの使い方を巡ってであった。自宅から歩いて行けるところなので、ほとんど徒歩で行っていたのだが、「店頭に書かれている張り紙の趣旨が分からないので教えてほしい。クルマで出かけた帰りに寄ることもあるので...」と普通に質問したら、パン屋の店主がとたんに切れた。いかにも職人という寡黙な男だったが、怖いほどの勢いだった。その店には3年通って常連となっていたから、気安く質問をしてみたのだが、全く合理的な説明は聞かれず、「帰れ」と怒鳴り散らした。ホリエモンは一見だったが、私は年間10万円近く、その店に商品の代金を払ってきた常連である。

私の友人に、東京・神楽坂で三つ星の和食料理店の店主をしている男がいる。彼は、高校卒業後、ふるさと新潟を飛び出して、あてもなく東京にやってきて、近くの喫茶店で働きはじめ、そこで調理の面白さを知ったという。彼は、「特に和食でなくても良かった。食べて行ければ...」と修行の道に入ったのだが、彼はその世界で必要な腕だけではなく、目や嗅覚、味覚にとびきり優れていて、日本を代表する店の店主までに上り詰めた。

しかし、彼のような成功例となれば、飲食の世界では、砂の中に一粒という確率だろう。高等教育を受けられず、理解能力も説明能力も鍛えられないままに、手に職をつけるとなると飲食店で調理し提供したり、調理した料理、食品を販売したりするのが手っ取り早いということだ。そのことは、まさに彼から教わった。しかし世はB級、C級グルメの時代である。彼のように修行などしなくても、炭水化物と油をふんだんに使うものなら、よほど手を抜かない限り客はつく。

尾道の餃子店の店主に限らず、人気のラーメン店もその類いである。そしてそうした店の店主には、こだわりの強い人は多く、それが人気の源泉となる。そのことは理解できるのだが、客に対して説明できず、感情にまかせて怒鳴り飛ばす輩が多いとなると、コロナ渦、そうした店は自然淘汰された方が良いのではないかとすら思ってしまう。

何しろ客はお金を払って食べるのだから、気持ちよく食べたいものだ。店主に怒鳴られてまで食べるレベルではない店が食べログで持ち上げられていることにも不審の念を増すばかりである。そういう風上に置けないような輩が店主をしている店を持ち上げないように、ユーザーも心してコメントしてほしいものである。

タグ:ホリエモン
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