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写真日乗2015/12/31~旧国鉄の蒸気機関車のこと~ [Nikon F2]

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撮影:1975/02 於:北海道・石北本線常紋峠
Nikon F2 Nikkor 28mm f3.5

大晦日、買い物や掃除の残りをこなしているうちに、日が暮れてしまった。
今日まで書かなかったが、この12月は、旧国鉄の蒸気機関車が本線上(北海道)から姿を消して40年という記念年だった。14日に旅客が、24日に貨物がそれぞれ蒸気牽引の列車運行が終わり、動力近代化の一つの区切りが付いた。私はちょうど大学受験勉強中の高校3年生だったので、その現場に居合わせることはできなかったが、小学生の頃から撮り続けてきた蒸気機関車が消えていくことは俄に信じられなかった。
この写真はその年の2月、高校を長期に休んで臨んだ最後の北海道撮影行の時の写真である。平日ゆえ、同業者がほとんどおらず、いつもなら抜けさせてもらう常紋トンネルの暗闇が怖くて、山を越えた。山を越えたら間に合わないはずの貨物列車がそのトンネル上から撮れた。カメラを取りだし、手持ちで撮った。少し遅れていたから、撮れたカットである。
いつもならもっと先の見晴らしの良い定番ポイントで、三脚を立てて構えるのだが、こうして常紋トンネル上から撮ったのは、これ1本きりである。
いまだに写真を撮っていて、鉄道も復活蒸気の走る路線に出向くのだが、この頃の真剣さはやはりない。鉄道写真は、何時間も好条件を待つことのできる風景写真とは異なり、列車通過時の天候に左右される。この時のことは、それなりに覚えていて、気温は高め、雲は厚め、風は吹いておらず、靄っていた。その条件を踏まえ、このポイントで撮ることがベストだと言えるのだから、面白いものだ。
写真の神様は、真面目に取り組んでいるとちょっとした贈り物を届けてくれるのである。



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写真日乗2015/08/30~少し大人になった子どもたちの笑顔~ [Nikon F2]

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撮影:1975/02 於:室蘭本線
Nikon F2 Nikkor 28mm f3.5

昨日の横浜は、朝方の気温が20度を下回り、最高気温も22度ほどまでしかあがらなかった。そこで、前十字靭帯再建術後初めての30キロ走に挑戦した。途中、膝周りに痛みも出ず、走りきれたが、昨年4月、レースで走った42キロ以来の長距離走で、兎にも角にも疲れ果てた。
そして今日も気温は低く、午前中ジョグ12キロ、午後はジムでの筋トレという流れで半日を過ごし、さらに肉体的な疲労は蓄積した。しかし、気分としては実に爽快で、こういう気分は、昨年9月末の怪我以来、初めてのことではないかと思うほどだった。膝周りはさすがに硬くなったが、筋肉痛もそれほど出ていない状況なので、動き続けることはできるし、一時期、繰り返し出ていた疲労から来る免疫機能の低下もそれほど感じられないためだろうと思う。
今日は夕方、近所の子供たちがたくさん出てきて、私もカメラを持ち出し、久しぶりに撮影をした。猛暑の日中、外出をしていなかった私も子どもたちもいっせいに路地に飛び出し、一緒に遊んだり、写真を撮ったり撮られたりができたのは、とても嬉しいことだ。
少し大人になった子どもたちの姿は、残念ながらここには載せられない。ゆえに再び国鉄蒸気でご勘弁を。私が最後に行った1975年2月の国鉄蒸気撮影行最終日前日夜の作品である。ありきたりで野暮ったいが、「去りゆく青春」とでも名づけようか。


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写真日乗2015/08/29~再び、国鉄蒸気~ [Nikon F2]

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撮影:1975/02 於:石北本線・常紋峠
Nikon F2 Nikkor 50mm f1.4

書きたいテーマは様々あるのだが、なかなかまとめられない。
安保法制反対の運動の高まり、五輪がらみ新国立競技場の整備計画の見直しなどは、短文でとりあえず書いたはみたものの、十分に言い切れていない。しかし、リハビリのトレーニングは何度目かのピークを迎え、考えたり文章をまとめる時間がとれないのだ。こうした状況は、この夏、ずっと続いており、しかも「写真日乗」において肝心の写真すら撮れていないのである。
ゆえにこうして、40年ほど前の写真を持ち出しては、当時のことを振り返るのである。青年は未来を見、老年は過去を振り返るというのは通説だが、私も老年の域に入ってきたのか。
しかし、当時のネガフィルムをスキャナーで取り込み、Adobe Lightroom で傷やごみ、カビなどを補正していく作業は根気が要る作業である。デジタル画像処理の基本を押さえておかないと、全く手に負えないものであり、普通の老年ではできない。常に最新のアップデータを入手し、新たに加わった機能、改善された機能を調べて活用していくことが重要であり、言い方は悪いがボケ防止になると自身に言い聞かせている。
この写真は高校一年の春休み、すなわち二年になる直前の春休みに挑んだ石北本線・三角山からの俯瞰である。前日の午後に斜面をよじ登り、夕刻、適当な斜面に雪洞を掘り、ビニールシートを敷いて、ラーメンなどを食べながら一夜を過ごした。翌朝、一番の貨物列車から撮影しようとすると、この方法しかないのだが、天候が悪化したら、全く撮れなくなる。
そういうリスクの高い試みであったが、幸い朝方は陽射しがあり、昼までは視界が開けていた。このポイントからは、10分近く列車の接近、通過を見ることのできるのだが、こうしてみると引き付けたこのアングルが、私自身、一番好きである。






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写真日乗2015/02/03〜鉄道写真の工夫〜 [Nikon F2]

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撮影:1975/02  石北本線・常紋峠
Nikon F2 Nikkor 28mm f3.5 Tri-X 400

昨日の記事で載せた写真の翌年の冬、1975年2月のものである。国鉄蒸気を追った撮影行、その最後の渡道で撮影した。昨日の写真と峠を挟んで反対側のポイントだが、常紋トンネルという、全国からかき集められた者を半ば強制的に働かせ完成させたトンネルの上から撮った。ここに集められた者のなかには、囚人もいたらしい。そこで亡くなった者の遺骸が人柱で埋め込まれているという、曰く付のトンネルである。
当時は、客扱いもしていた常紋信号所から歩いてポイントまで行った。トンネル内の歩行も信号所の職員に言っておけば、「気をつけろよ」の一言で許可が得られた。この日は独りだったので、怖くてトンネル上の山越えをし、この先のポイントに向かったのだが、思いのほか時間がかかり、今まで一度も撮ったことのないトンネル上からのアングルとなった。
レンズには、たまたまついていたニッコールの28mmをそのまま使い手持ちだったと思う。ピントは当時の鉄道写真の掟である置きピン、左右の葉を落とした木々にあわせたようだ。この写真は明るめにレタッチをし仕上げているが、かなり薄暗かったと記憶している。気温は比較的暖かく、ガスがかかっている。
準備の途中で汽笛が聞こえ、慌てて構えたが、消失点のある真中に、蒸気牽引の貨物列車が現われた。もちろんそこにはピントは合っていないわけだが、F2の優れたファインダーで見ていて幻想的に感じたのか、貴重なフィルムをこのカットに使った。もちろん蒸気機関車にピントの来ている画もあるのだが、この写真こそ、当時の私の流儀に合った画だと、いま見ても思う。
手持ちで光学ファインダーを凝視することで得られたカットだが、瞬時に判断をし工夫するところが鉄道写真の面白さだろう。


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写真日乗2015/02/02〜二つの幸運〜 [Nikon F2]

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撮影:1974/03  石北本線・常紋峠
Nikon F2 Nikkor 50mm f1.4 Tri-X 400

この時期になると必ず思い出すのは、渡道、すなわち北海道に渡り、国鉄が最後まで営業運転で動かしていた蒸気機関車を撮影に行った頃のことである。今でも、JRだけではなく大井川鉄道や真岡鉄道が、動態保存している蒸気機関車を使って、観光列車の運行をしているが、当時は日常の鉄道輸送を担う存在として、非電化区間のローカル列車や貨物列車を牽引していたのが蒸気機関車であった。それも1970年代に入ると急速にディーゼル機関車に置き換わりつつあり、まさに風前の灯火を撮りに行くような気分での撮影行だった。
国鉄蒸気の終焉は、この写真を撮ったちょうど二年後のことであるが、全般検査というすべての機器を取り外し、仔細に調べる検査、略して「全検」の時期を迎えた蒸気機関車から、順次、廃車となり、新造のディーゼル機関車に置き換わっていった。この写真にも、その様子が見て取れる。先頭で牽引している機関車は誰でも知っているデゴイチ、すなわちD51であるが、峠越えのために後部に連結されている補機(補助機関車)は、DE10という型式のディーゼル機関車で、大正時代につくられた9600型という蒸気機関車を置き換えるために配属されたものである。
この一年前までは、補機も蒸気機関車であり、二条の煙が蒸気撮影の醍醐味を味わせてくれたのだが、それもないものねだりである。しかし、国鉄蒸気終焉の現場にこうして立ち会えたのだから、幸運であったと言わねばなるまい。
写真はいまやデジタルの時代であるが、気温の低い厳寒期の北海道で、こうした写真をものにするのは、バッテリィ等電気系統の問題で難しいかもしれない。当時は、機械式のカメラであり、寒さで撮影ができなかったという経験はほとんどなかった。撮った写真も、ネガフィルムがカビだらけでも、デジタル・スキャニング、画像ソフトでのレタッチを経てこうして蘇るのだから、これも幸運だといえよう。


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尾瀬の思い出 [Nikon F2]

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今日は、いまの写真ではなく、良く山に登っていた頃の写真。これは尾瀬ヶ原から至仏山をのぞんだものが、ちょうど今頃の季節の夕暮れである。尾瀬ヶ原では、至仏山に対峙するかたちで燧岳がのぞめるが、両者の姿は対照的である。この至仏山はなで肩の女性的な雰囲気をもち、燧岳はゴツゴツとしていて男性的だ。尾瀬もずいぶんと下界の草が茂り、変わってしまったというが、もう一度、訪れてみたい。そのウエットな趣が、デジタルカメラで、どこまで撮れるだろうか。

Nikon F2 Nikkor 28mm f3.5
Kodak Kodachrome 64


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