SSブログ

写真日乗2015/02/03〜鉄道写真の工夫〜 [Nikon F2]

20100327img303

撮影:1975/02  石北本線・常紋峠
Nikon F2 Nikkor 28mm f3.5 Tri-X 400

昨日の記事で載せた写真の翌年の冬、1975年2月のものである。国鉄蒸気を追った撮影行、その最後の渡道で撮影した。昨日の写真と峠を挟んで反対側のポイントだが、常紋トンネルという、全国からかき集められた者を半ば強制的に働かせ完成させたトンネルの上から撮った。ここに集められた者のなかには、囚人もいたらしい。そこで亡くなった者の遺骸が人柱で埋め込まれているという、曰く付のトンネルである。
当時は、客扱いもしていた常紋信号所から歩いてポイントまで行った。トンネル内の歩行も信号所の職員に言っておけば、「気をつけろよ」の一言で許可が得られた。この日は独りだったので、怖くてトンネル上の山越えをし、この先のポイントに向かったのだが、思いのほか時間がかかり、今まで一度も撮ったことのないトンネル上からのアングルとなった。
レンズには、たまたまついていたニッコールの28mmをそのまま使い手持ちだったと思う。ピントは当時の鉄道写真の掟である置きピン、左右の葉を落とした木々にあわせたようだ。この写真は明るめにレタッチをし仕上げているが、かなり薄暗かったと記憶している。気温は比較的暖かく、ガスがかかっている。
準備の途中で汽笛が聞こえ、慌てて構えたが、消失点のある真中に、蒸気牽引の貨物列車が現われた。もちろんそこにはピントは合っていないわけだが、F2の優れたファインダーで見ていて幻想的に感じたのか、貴重なフィルムをこのカットに使った。もちろん蒸気機関車にピントの来ている画もあるのだが、この写真こそ、当時の私の流儀に合った画だと、いま見ても思う。
手持ちで光学ファインダーを凝視することで得られたカットだが、瞬時に判断をし工夫するところが鉄道写真の面白さだろう。


nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。