SSブログ

写真日乗2014/09/18~国産新車とほぼ同じ値段~ [Leica M8.2]

L1114184

撮影:2014/09/18 東京・銀座
Leica M8.2 Ultron 28mm f2.0 VM

ライカMが開発、発売されて今年で60年だそうだ。最初は、かの有名なM3で1954年に発売された。私も、数年、中古品を保有したが、見やすいブライトファインダーに静かなシャッター、巻き上げのスムーズさ、確かなマウントなどが際だっていて、今でも一級の性能を持つものだ。あまりに金をかけたパーツをふんだんに使っているため、当時、円が国際通貨でほとんど認められない時代だったこともあり、家一軒が買えるほどの金を出さないと手に入らないと言われたが、木村伊兵衛などは持っていたので、決して日本人すべてが買えないものではなかったはずだ。
この際だって優秀なカメラが世に出たことで、ニコンもキヤノンもレンジファインダー・タイプの開発を諦め、一眼レフの開発に専念したという話は有名だが、結果的に一眼レフがレンジファインダーを凌駕して、プロフェッショナルの使用に耐える偉材は、いまや一眼レフだけということになっている。
しかし、である。その一眼レフで何でも撮れるわけではない。レンズのマウント面からフィルム(デジタルだと撮像素子)面までの距離がどうしても長くなる一眼レフは、レンズをライカMのようには小さくはできない。広角も、圧倒的にライカMマウント用の方がつくりやすい。ニコンはいろいろ工夫して何とかつくったが、キヤノンはいまだ決定版といえる広角レンズをつくれていない。
具体的にいうと、一眼の大きなボディに口径の大きなレンズは、このようなストリートスナップには全く向かない。これで赤の他人を撮りまくることが出来る者がいるとすれば、すこし頭がおかしくなっていると思った方が良いくらいだ。
この写真を撮ったライカMはデジタルだが、しずかにスマートに街角を切り取れる。MFでも、ピントはあわせやすい。マウントは不変なので、60年前に出たMマウントレンズも、それ以前のバルナックライカ用のLマウント・レンズも使える(L-Mマウントアダプター使用)ので、プロフェッショナルが作品作りにこのライカM初のデジタルを使うようになったという点で、ライカ復活を印象づけた。
そのライカM、60年を記念したつくられたというType240ベースのカメラが予約受付中だが、レンズ付きで新デザインで230万円ほどだ。家が買えてしまうわけではないが、小さめの国産車なら新車が買えてしまうお値段である。


nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。