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写真日乗2014/11/21〜年に一度は欧州のオケを聴くべし〜 [Elmarit 28mm f2.8(第3世代前期)]

20141121_dsc3247

撮影:2014/11/21 ミューザ川崎
SONY α7s  Elmarit 28mm f2.8 3rd

昨年はミューザ川崎で、ウィーンフィル、アムステルダムコンセルトヘボウ、ベルリンフィルの来日公演を5日の間に聴くという、私の人生でもあり得ない経験をした。4階センターの全く同じ席で聴けたので、楽曲は異なるが、各オケの音色、指揮者の音の引きだし方の違いなどがよくわかり、とても勉強になった。
今年、ミューザ川崎には、昨年のような大イベントはなく、欧州のオケといえば今月、今日のヤンソンス指揮、バイエルン放送交響楽団の演奏会がぽつんと入っているだけ。12月も佐渡裕指揮のケルン放送交響楽団の第九だけなので、いわば裏年のような雰囲気の寂しさである。
「とりあえず、チケットを」と思って、5月にぴあで先行抽選のA席を申し込み、その結果に気づかないまま、先週、「チケットの発券がまだ」だというメールが来て慌てた。ネットで買うと、こうしたウォーニングがあるので、行くのを忘れてしまうことはないということが実感できた。
ほぼ1年ぶりの欧州オケの演奏会だが、今日は、もはや巨匠の域に達したマリス・ヤンソンスの指揮に、ピアノのクリスチャン・ツィメルマンが加わり、ブラームスのピアノ協奏曲第1番が前半。休憩を挟んで後半は、ムソルグスキー(ラヴェル編)の組曲「展覧会の絵」が演奏された。
前半が50分強、後半が40分弱だから、前半がメインディッシュのようなものなのであろうか。ブラームスが交響曲として構想を練ったというこの曲のスケールは、ともかく大きく、特に第一楽章は、ピアノ付き交響曲といった趣である。ツィメルマンをライブで聴くのは初めてだが、とても大きく純度の高い音をホールに響かせる。今月は8日に、ショパンコンクールの覇者、ユリアンナ・アヴデーエワのソロコンサートを聴いているのだが、まるで別の楽器のように思えるほど、違う。もちろん、20代の女流ピアニストと比べてはいけないのだが、演奏家として「大人と子供」くらいの違いを感じた。
この曲の聴きどころはやはり第二楽章のアダージオであろう。第一楽章の強烈なコーダから一転して、弦楽と木管が奏でる旋律は美しいが、これはやはり欧州のオケならではのアンサンブルが際立つ。この旋律も、明らかに交響曲の構成でもあり得るものだと思う。その直後、ツィメルマンのピアノが入ってくるが、クララ・シューマンを慰めるための楽曲として、彼ならではの叙情性が際立っている。続く三楽章冒頭のバロック的な旋律も、ツィメルマンが弾くとロマン的な雰囲気が増してくる。手元にある、バーンスタイン・ニューヨークフィルの演奏会に客演した若きグレン・グールドなどとはもちろん異なり、ヤンソンスもツィメルマンも中庸なテンポでオーソドックスにまとめたと感じた。
後半の「展覧会の絵」は、随所にヤンソンスの工夫が凝らされた秀演で楽しめた。ドイツのオケがラベル編曲のロシア人作曲家の楽曲を演奏すると、バランスがうまくとれるのだろうか。ヴァントが指揮した北ドイツ放送交響楽団のディスクと同じよう音楽的な完成度を感じた次第。
因みに今日確保した席はA席で、いつもと異なる3階RBの席だったが、ここも良い音が聴けるポジションである。


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