写真日乗2016/12/16～襲名公演の続く歌舞伎～

撮影：2016/12/16 於：東京・丸ノ内
Leica Q Summilux 28mm f1.7

歌舞伎にはこのところ、国立劇場の３カ月通しの「仮名手本忠臣蔵」を中心に、歌舞伎座の好みの演目を選び観ているが、この一年を振り返れば、雀右衛門、芝翫という大名跡の襲名披露公演が行われ、華やかな舞台が多かったように思う。

これに加え、先日、幸四郎の白鵬襲名、染五郎の幸四郎襲名が発表され、既に発表されていた中村屋の勘九郎の長男と次男、それぞれの勘太郎、長三郎襲名と、来年も襲名大賑わいの年になりそうである。
このあたりは松竹の按配なのだろうが、観る立場からいうと、舞台に上がっている役者は同じである。生涯の一大事として気合いの入る芝居になることは確かだが、ご祝儀相場のチケット代は懐に響く。
襲名は一里塚に過ぎず、その先、どのような役者に成長していくかが大切であり、その過程を金を払って見てあげようという意識が求められるのであろうか。
兎にも角にも、今年もあと２週間。23日の国立劇場と25日の歌舞伎座で、私の芝居見物は納め。新年は早々に大阪松竹座と歌舞伎座の公演を入れているが、来年は定年を迎えるので、少しペースを落として観ていくことになるのではないか。
厳選すればするほど、見る目は厳しくなるので、襲名公演という華やかさにごまかされることはないだろうと思う。