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写真日乗2017/03/16〜ワインショップとの縁〜 [日記]

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撮影:2017/03/15 於:東京・神田
Leica Q Summilux 28mm f1.7 ASPH.

私のワイン歴は、30年を越える。ちょうどワインにはまりかけたころ、オーストリア産ワインにジエチレングリコールが混入されている事件が明るみに出た。

体重1kg当たりで1gで致死量に達するジエチレングリコールが甘口ワインに不正に添加されていた事件である。
私が当時よく飲んでいた国産ワインはマンズワインで、月2本ずつ配達される月極めの日本産ワインの頒布会を取っていて、問題となったワインもその頒布会に含まれていた。日本でも貴腐ワインができるようになったのかと感動を覚えたが、産地偽装の、しかも毒入りワインだったことで、国産ワインメーカーに対する信頼は失墜した。
マンズワインの頒布会は、毎月、国産のもっともらしい産地名でセパージュもはっきり示されていたものが届けられたが、実は輸入バルクワインを使ったまがい物だったわけだ。そもそも1985年当時、日本の国内でワインの製造に適した葡萄が生産されていたとは思えず、またワインの醸造技術も未熟だったから、バルクワインを輸入して適当に混醸、それを2本セットで何千円かで売っていた。メーカーを信じていた私たちを裏切る行為であり、その罪は重い。
そういうワインをワインとして飲んでいた私も馬鹿だったが、その時、ワインを極めるのをやめようとは考えなかった。産地とセパージュ、ヴィンテージか分かるようになるには、ひたすら飲むほかはないと考え、まずはボルドーのブルジョワクラスを都内のワインショップで片っ端から買ってきて飲んだ。
周知の通り、フランスでは厳格な原産地証明制度が確立しており、ACボルドーのワインなら確実だろうと考えた。船便で日本にやってくる当時のフランスワインの中では、ボルドー産は輸送にも強く、品質の劣化は少ないと、ものの本に書かれていたことで決めたのだと記憶している。その後、ブルゴーニュの赤を飲み始めたが、いまでも2週間ほど、ブルゴーニュのピノノアールからつくられたワインしか飲まない期間をもうけている。それは、当時からの習いである。
しかし、最近は、チリ産のワインが急速に伸びてきて、日本でも輸入量ベースでフランス産を抜いたという。オーストラリアやニュージーランもつくりが洗練されてきており、もちろんカリフォルニアやオレゴン、ワシントン州のアメリカのワインの品質向上が著しい。
まさに多種多様なワインが飲める時代となったが、そのなかで日本産のワインも着実においしくなっており、まさに多種多様な産地、つくりから選べる時代になった。
平日の夜は、ジムでトレーニングをするようになり、神田の行きつけのワインショップに頻繁に行けなくなってしまったが、土日祝日は、静岡で100年以上続く酒店の三代目山崎裕子さんが世界のワイナリーを自身で訪れ、葡萄栽培農家やワイン生産者の顔を見てから買い付けるというスタイルのヴィノスやまざきを訪れることが多くなった。インポーターに頼ることなく、世界のワイナリーを訪れて直接、契約してくるのが山崎さんのやり方で、それによって集められた上質なワインの常時在庫を実現しており、安心して飲める。
このヴィノス屋馬崎の一号店は、渋谷の西武地価に2001年に開店したというが、その店が今のヴィノスやまざきにつながっているとは、つい最近まで知らなかった。良くそのショップのスタッフと無駄話をしては、結局のところ、ジャケ買いならエチケット買いで1本買い求めていたことを懐かしく思う。


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