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写真日乗2017/05/05〜熱狂の日音楽祭、その1〜 [Summilux-M 35mm f1.4 ASPH]

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撮影:2017/05/05 於:東京・丸ノ内
Leica M10 Summilux 35mm f1.4 ASPH.

ゴールデンウィークは、5月4日から3日間、熱狂の日音楽祭2017「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」が東京フォーラムで開かれる。

今年は、テーマが「ラ・ダンス 舞曲の祭典」だ。12年目になる音楽祭だが、私は皆勤賞で、一番多く聴いた年は、優に20公演は超えていたと思う。今年は5月4日の5公演、5日の1公演で、かなり縮小させてしまった。
舞曲は、多くの作曲家が手がけてきたものだが、普段、コンサートで演奏される機会はあまりない。小品が多く、交響曲や協奏曲中心の日本のコンサートでは、特に演奏されないジャンルだ。アンコールで披露される程度しか、私はライブで聴いたことがない。
今回は、様々な楽器、編成の楽曲が選ばれているが、民族的な土着の舞踊をもとにしたものに加えて、舞曲のリズムを取り入れた創作性溢れるものまで、実に幅広い。
3日間で約350公演(うち有料公演122公演)と国内では最大規模の音楽祭だが、目に見える混乱もなかったようだ。かつては、会場に行けばチケットは購入でき(Aホールを除けばほとんど完売だった)、無料コンサートは誰でも聴くことができる(有料チケットの版権が必要である)と思ってやってきた人々が右往左往し、また抗議をする場面にも出くわしたが、さすがに12年目、しっかりと根付き、落ち着いた音楽祭になった。
私が、5月4日の午前10時の公演からスタートしたが、まず若手ヴァイオリニスト、辻彩奈のブラームス・ソナタなどだ。ガラス棟4階にある会議室(G409)を模様替えした小さな会場だ。間接音はほとんどない代わりに、演奏者との距離が近く、楽器の音そのものを楽しめる。辻は若干二十歳だが、堂々と伸びやかに歌い上げるタイプのヴァイオリニスト。本来なら、ピアノ伴奏を児玉麻里が勤める予定だったが、代役として碓井俊樹が務めた。1977年生まれというから中堅のピアニストだが、コンクールの審査委員や音楽大学の客員教授を務めるということなので、代役であっても、若手のヴァイオリニストの伴奏に全く問題はなかった。ファリャの「スペイン舞曲」、ベリオの「バレエの情景」に加えて、ブラームスの「ヴァイオリン・ソノタ第2番」「F.A.Eソナタ」(スケルツォのみ)など多彩なプログラムはなかなか魅力的で、楽しめた。
二つ目は、同じG409で、酒井茜のピアノ独奏曲を聴いた。酒井は1976年生まれ、先ほどの碓井とほぼ同じ年代だ。ストラヴィンスキーの「タンゴ」、ショパンの「ワルツ」「マズルカ」「タランテラ」、シマノフスキの「マズルカ」などを演奏したが、ミスタッチがそれなりにあり、ショパンなどもテンポの動かし方が不自然で、音色も感心しないものだった。アルゲリッチの指導を受けてプロで活躍してきたピアニストだというが、私の好みではない。
3つ目は、やはりG409でのピアノ独奏、イスラエル出身のマタン・ポラトのバッハ、バルトーク、ラモーという珍しい組み合わせのコンサートである。事前のまったく情報を集めずに聴いたピアニストだったが、とても端正な演奏で、テクニックがしっかりしていて、しかも個性がいやみなく浮き上がってくる演奏、とても感銘を受けた。結論からいえば、6公演のなかで見つけた、唯一の有望株だった。特に良かったのは、バルトークの「舞踏組曲Sz.77」か。もともとはオーケストラ曲で、そのピアノ独奏版、有名な「中国の不思議な役人」を作曲する直前につくられており、類似性が感じられた。


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