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写真日乗2017/06/12〜東京リング「ジークフリート」その1〜 [日記]

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2017/06/08 於:東京・虎ノ門
Leica Q Summilux 28mm f1.7 ASPH.

新国立劇場のリングは、6月の「ジークフリート」と10月の「神々の黄昏」で完結する。先日、その「ジークフリート」を聴いてきた。

飯守泰次郎の指揮、東京交響楽団、新国立劇場合唱団、故ゲッツ・フリードリヒの演出、このリングのプロダクションは、これらで貫かれている。
周知の通り、「ジークフリート」は、ワーグナーが途中で何度も作曲を中断したことで有名である。その歴史を紐解くと、1856年3月に作曲に着手、しかし翌年、第2幕第2場まで進んだところで中断。同年8月に2幕のオーケストレーションを終了したが、その後再び中断。1864年に作業を再開し、1865年第2幕の総譜草稿が完了、しかしそこで再び中断する。
その後1868年から1869年にかけて第1幕と第2幕を改訂、1869年3月から本格的に第3幕にとりかかり、6月に作曲を終えた。しかし総譜完成はその2年後の1871年。作曲に着手してから15年の歳月をかけた楽劇なのである。
第1幕は、ミーメに育てられたジークフリートが、育ての親ミーメのできなかったノートゥンクを鍛えなおし、無敵の剣としてミーメを殺害する幕。音の強弱、リズムの変化など、聴く者に高揚感を感じさせるスリリングな楽曲が繰り広げられる。第2幕では、ジークフリートが森に出かけ、巨人族で大蛇に化けたファフナーを切り殺し、黄金の指輪と頭巾を得るとともに、大蛇の生き血をなめることで鳥の声が分かるようになるというメルヘン的な要素もある楽曲である。そして、第3幕はその鳥に導かれ炎に包まれた岩山を辿り、ブリュンヒンデに出会って恋に落ちる。その急展開のなかで、ジークフリートを神々の国の後継者にしたいと考えるさすらい人(ウォータン)が絡んでいく。
日本での上演は、単独ではかからないことが多く、チクルスでない限り、実際の舞台を観ることはかなわない。私は、新国立の2009/10のチクルス、ベルリン国立歌劇場、バレンボエム指揮の2002年のチクルス、それの東京春祭でのヤノフスキの演奏会方式チクルスと4度目である。要するにチクルスが企画されないと聴くことのできないのがジークフリートなのである。


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