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写真日乗2017/06/20〜玉虫色の基本方針〜 [日記]

20170619l1050040
撮影:2017/06/19 於:東京・数寄屋橋
Leica Q Summilux 28mm f1.7 ASPH.

東京都の小池知事は、築地市場を豊洲に移転し、築地市場の跡地は5年後をめどに商業施設などとして再開発する基本方針を示した。

「築地ブランド」を生かすため、再開発では競りなどができる市場機能も確保し、築地での営業を希望する業者は戻れるような方策を検討するという。
まさに都議会千強前に打ち出した玉虫色の結論だ。当然、豊洲では汚染水対策を施さなくてはならないが、その安全対策がどのようなものになるかは示されていない。ここまで移転を延期しておいて、実務上、最も重要な安全対策の具体策を示さず、一方で、築地市場の再開発についても、具体の計画はないままの発表であった。
豊洲移転派も築地残留派も声の出しにくい状況を作り出そうとしたかったのだろうか。豊洲については、「中央卸売市場プラス物流センター」とする構想だろうが、施設が既にできあがっているなかで、物流機能の強化が図れるのかは不明である。邪推すれば、豊洲は物流センターとして、消費者の目の届かないブラックボックス的な機能に特化させ、派手なせりや物販など観光にも生かせる機能は築地で派手にやらせるということなのだろう。しかし、首都圏の消費者が普段口に入れる大半の生鮮食品は、豊洲を経由して小売店に運ばれることになる。
築地は、東京五輪・パラリンピック開催時に主要な輸送道路となる都道を開通させるとともに、駐車場なども整備しなければならない。とりあえず、その流れは今回の知事の表明ではできてくるのではないか。あと3年という切羽詰った状況のなかで、築地に「食のテーマパーク」の機能を持つ商業施設を整備すると打ち出し、一気に老朽化した築地市場を解体する。新たにつくられる「食のテーマパーク」では、おそらく賃料は豊洲の何倍かのものを課すに違いない。
何も具体的なものを示されないまま、このような構想だけが掲げられると、同床異夢の事態が起こり、またぞろ意見集約が難しくなる。その時、小池知事は、もう都知事ではないかもしれない。彼女のキャリアプランでいえば、五輪・パラリンピックを成功させたあかつきには、国政に復帰、総理を目指すのではないか。置いてけぼりにされるのが誰かは、あえて言うまい。


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