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写真日乗2016/12/21~武満徹没後20年の掉尾を飾る~ [日記]

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撮影:2016/12/21 於:東京・オーチャードホール
Panasonic Lumix CM1

武満徹没後20年の年の暮れ、渋谷で面白いコンサートが開かれた。出演は、渡辺香津美(ギター)、coba(アコーディオン)、鈴木大介(ギター)、ヤヒロトモヒロ(パーカッション)、カルメン・マキ(スペシャルゲスト)という面々、曲は、武満が映画のために書いたものを中心に、彼らが自由にアレンジした。

 

最初の公演は2008年2月で、米国ワシントンDCのケネディ・センターで開催された日本がテーマの音楽祭であるという。この音楽祭のプロデューサーが、「タケミツの映画音楽を紹介したい。ただし日本から呼べるミュージシャンは4人くらい」と言われたと武満徹の娘、武満眞樹氏はパンフレットに書いている。
アコーディオン、パーカッション、ギター×2の4人というのは編成は、クラシックももちろんのこと、ジャズでもポップスでも聞いたことのないものだ。この4人も、最初はお互いに面識はなかったという。
それぞれ実力派のミュージシャンだが、みな武満徹を尊敬する音楽家だ。武満の音楽で自由に遊ぶ雰囲気のコンサートというのが、このコンセプトである。それから8年間に八ヶ岳、松本、ニューヨーク、オレンジカウンティ、北京、上海、神戸で再演が続いていたが、東京で公演が実現したのは今回が初めて、私もBunkamura のニュースレターで知り、即座にチケットを確保した。
みな各ジャンルの名手であり、素晴らしいテクニックを披露してくれて楽しめたが、やはり武満の個性が際立っている。演奏されたのは、「フォリオス」より 第1曲(映画音楽ではなく、ギターのために書かれた独奏曲)、不良少年 (羽仁進監督) 、伊豆の踊子 (恩地日出夫監督) 、どですかでん (黒澤明監督) 、日本の青春 (小林正樹監督) 、太平洋ひとりぼっち(市川崑監督) 、Tribute to Toru (渡辺とヤヒロ合作)、死んだ男の残したものは(谷川俊太郎の合唱曲)、ホゼー・トレス (勅使河原宏監督) 。狂った果実 (中平康監督)、 最後の審判 (堀川弘通監督)、 他人の顔 (勅使河原宏監督)、 写楽 (篠田正浩監督)、アンコールとして合唱曲、小さな空という充実したもので、このなかで、死んだ男の・・・にカルメンマキのボーカルが加わった。渡辺一人の伴奏に、若々しいカルメンマキの歌声が見事に乗り、心にしみた。
聴きに来ている者は、クラシック派の人々で、ジャズ風の進行に少し戸惑っていてようだが、みないつもとは違うかたちの武満の世界を味わっていたように思う。


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