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写真日乗2016/12/22~倫理的消費の薦め~ [日記]

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撮影:2016/12/22 於:東京・赤坂
SONY α7R II  Carl Zeiss Sonnar T* FE 35mm f2.8 ZA

倫理的消費という言葉を最近、良く聴くようになった。コーヒーなどでは、フェアトレードという言葉が使われているが、コーヒーでいえば、適切な労働環境を用意し、児童労働などが行われていない農園の豆をバイヤーが買い叩かず購買し消費者に届けるという仕組み、買う側がそうした倫理を重視して商品を選ぶ消費である。

当然、普通の商品より高価になるが、消費者も自身の消費が世界のどこかにいる誰かを苦しめないようにするという安心感がもてる。
例えば、ユニクロブランドを売るファーストリテーリングは、自社製品を製造している世界の取引先の縫製会社の情報を公開していない。どこで誰がどのように携わって、あの製品がつくられ、そのコストがどの程度なのかがわからないのである。私はこのブログでも何度か、ユニクロ製品は買わないと明言してきたが、賃金の極めて安い国の、労働者側に厳しい労働環境下でつくられるユニクロ製品は信用できないからである。
ユニクロ製品の価格のうち現地の工場労働者に支払われるコストが一枚あたりどのくらいかは知りたいところだが、そこまでは無理にしても、そこでの労働環境などの情報は最低限、公開されてしかるべきである。そうした声も踏まえてか、ファーストリテーリングも取引先情報の公開に踏み切るという。ファーストリテーリングでは、国内の販売店でも過酷な労働が問題視されているが、安い製品にはわけがある。それに目をつぶって、山のように詰まれた製品に群がる消費者の姿を私は見たくないので、ユニクロの店の前は通らないことにしているほどだ。
「給料が上がらないのだから、ユニクロでも仕方ない」というのは、実は「ユニクロの製品を買っているから、給料が上がらない」と同義であることに消費者は気づいていない。時間当たりで見れば、日本国内でもチープレーバーの確保が企業の課題である。適切な人員配置を行わず、過酷な労働を従業員に強いる企業の姿勢はまさに倫理的ではない。日本の消費者が安い給料を甘受し、安いユニクロのような製品を買い続ければ、給料がますます上がらなくなる状況を作り出すだけなのだ。その大きな渦のなかに飲み込まれてしまっている人々は今日日、とても多いことだろう。
付加価値を認められない労働についている人々の賃金は、結局のところ、世界の貧困国の人々の賃金に徐々に近づいていくということなのである。
アベノミクスが効かず、経済の好循環が実現しないなかでは、せめて倫理的消費に努め、世界の賃金の上昇を促すことが重要だと思う。


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