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写真日乗2017/01/18~ミューザで聴く小澤/水戸室内管弦楽団~ [日記]

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撮影:2017/01/17 於:ミューザ川崎シンフォニーホール
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昨日にことだが、小澤征爾さんが総監督を務める水戸室内管弦楽団の川崎定期演奏会を聴きに行った。ミューザ川崎は私の住む隣町にある、私には準地元といえるコンサートホールだが、そこにMCOが登場するのは2014年5月以来、二度目である。

水戸での定期は既に13日と15日に水戸芸術館で開かれており、川崎定期という名で首都圏のコンサートが一回だけ開かれた。東京交響楽団を長年指導してきた秋山和慶さんと水戸の総監督である小澤征爾さんは齋藤秀雄門下なので、その縁からここでの演奏会が始まったのかもしれない。
平日、仕事を早めに切り上げての会場に向かったが、やはりいつもと客層が異なる。旧知の仲間にもばったり出会い、楽しい気分だ。そういえば最近、職場でクラシック音楽のコンサートの話をする機会がめっきり減った。歌舞伎はたまたま、私の席に近いところに二人愛好家がいるが、クラシック音楽のコンサートを熱心に聴きに通っている者が退職してしまい、その感動を分かち合うことができないのである。
水戸室内管弦楽団は、指揮者を置かないアンサンブルだが、今回も前半は、竹澤恭子さんと川本嘉子さんという才能あふれるソリストを迎え、モーツアルトのヴァイオリンとヴィオラの協奏交響曲k.364が演奏された。指揮者は置かないが、竹澤が全体のリードをするかたちで始まった演奏は、次第に各パートとソリストの息を飲むようなバトルに昇華していった。それでいてアンサンブルは全く崩れることなく、まるで天上から名指揮者が指揮をしているような気にさせるほどだった。弦5部も木管も金管もすばらしい響きで、ミューザの音の良さを再確認させてくれた。
休憩を挟み、後半はベートーヴェンの第1シンフォニーが小澤さんの指揮で演奏された。前回の7番の時には、小澤さんの体調もあってか、演奏者が小澤を支えるような感じで、メンバーが小澤氏と間で深いところで心を交わしていることで成り立つような不思議な演奏だったが、今日は、普通の指揮者のいる交響曲の演奏で、指揮者と演奏家の対話が随所に聞こえてくるダイナミクなものだった。日本の交響楽団の演奏会では感じられない音楽性を聞き取ることができ、とても感動した。
舞台には、演奏中に座れるしっかりした椅子と楽章間の休憩用に椅子の二つが用意されたが、小澤はほぼ座って指揮。いつものようにタクトは持たず、弦のトップの位置まで近寄りながら指揮する姿は変わらないが、楽章間は必ず小さな椅子の方に移って座り、ヴィオラの店村眞積さんの補助を受けながらゆっくり水を飲み息を整えてから次の楽章に映っていった。
少し小さく、背の丸まった姿は年齢を感じさせたが、万雷の拍手に何度も舞台に姿を現した時の笑顔は小澤さんそのものだった。


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