2017/04 短歌作品「上野」 [短歌]
風薫る五月生まれのわれながら「春は苦手」と今朝つぶやきぬ
甲高く声あげ蕾の桜木のもとを幼児の列がすすみぬ
春祭の「指輪」この春完結となればわが身の定年も春
多国籍多民族多言語の今日日花見のすさまじきかな
早々に退散したりわれ肩に染井吉野の花びらを乗せ
頑なに「指輪」を演奏会方式によりて奏でるヤノフスキ氏は
われよりも十八年上ヤノフスキ氏、背筋を伸ばし指揮台に立つ
拘束の三十七年終わりただ「神々の黄昏」聴き入るばかり
終演まで五時間半の長丁場、ヤノフスキ氏は腰をさすりぬ
咲きすすむ速度の遅きこの春のさくら花びら霧雨に濡れ
週末ごとそぼ降る雨に走りゆく右の臀部は依然痛くも
撮影:2017/04/04 於:東京・上野公園
Leica Q Summilux 28mm f1.7 ASPH.
2017-04-24 21:19
nice!(0)
コメント(0)
コメント 0