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写真日乗2017/04/10〜ドラマの衰退〜 [RICOH GR]

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撮影:2017/04/09 於:横浜市・鶴見
RICOH GR2

塩野七生氏が、文藝春秋五月号で、橋田寿賀子と日本のドラマについて痛烈に批判している。

十二月号に掲載された、橋田氏と医師の鎌田實氏との対談「私は安楽死で逝きたい」へのメッセージである。
塩野氏が槍玉に挙げたのは、日本の最近のテレビドラマのふがいなさである。「安楽死で逝きたい」などと言うのではなく、「きちんとした脚本書きコツを、無料で、若い脚本家志望者たちに、教えてあげてはどうでしょう。・・・そして、これを通じて、日本のドラマ界にカツを入れてほしいんですね」と。
塩野氏は、「日本のテレビドラマは、たるんでいます。女たちの視聴率を稼ごうとするあまり、明らかに男の時代であっても主人公を女にする。それをまた、女の脚本家に書かせる」と書いているが、これは『おんな城主直虎』のことを指しているのだろう。この大河ドラマの脚本は、森下桂子が書いているが、彼女はTBSの『世界の中心で、愛をさけぶ』の脚本を書き、またNHK朝の『ごちそうさん』の脚本でで第32回向田邦子賞を受賞しているから、脚本家としてはトップランナーの一人に数えられる。その脚本家の作品を、「観る気になれない」と書いているのだから、塩野氏の日本ドラマに対する不満は大きいのだろう。
かくいう私も、いまの日本ドラマは観る気がしない。「問題の本質を掘り下げよ」とまではいうつもりはないが、あまりにも軽薄で表層的。見る側からいえば、時間の無駄以外の何ものでもない。いまや放送時間に合わせてテレビの前に座り、ドラマを見る人はどれほどいるのだろうか。私に言わせれば、橋田寿賀子が無料で脚本書きのテクニックを若手に教えたところで、日本のドラマは復活しないだろう。それは、メディアとして古い部類に属するテレビの問題でもある。視聴者が求めるコンテンツが観たいときに観ることのできない、放送のされていない無料の各社のチャンネルは、地上波、BSともども未来はないだろう。かくいう私は今、CSで放送されている、昔の倉本作品や山田作品などを録画しながら見ている。「風のガーデン」はそのなかでも最高の作品だろう。少なくとも最近のドラマ作品にこれを凌駕するものはいなと断言できる。


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